タロット占いとは?その歴史と基本
タロット占いは、78枚のカードを使って人の運命や心理状態を読み解く占術です。
カードは「大アルカナ(22枚)」と「小アルカナ(56枚)」に分かれており、それぞれが独自のシンボルや意味を持っています。
タロットカードの起源は14世紀のヨーロッパにさかのぼるとされ、当初は単なる遊戯用カードとして使われていたと考えられています。
やがて占いに用いられるようになり、19世紀以降には神秘主義や心理学と結びつき、現在のような占術として発展していきました。
タロット占いの基本的な構成
大アルカナ
大アルカナは「愚者」「魔術師」「女教皇」などの象徴的なカードで構成され、人間の成長や運命の大きな流れを表します。
それぞれのカードには深い意味があり、占いの結果に大きな影響を与えます。
以下に意味一覧を示します。
番号 | カード名 | 正位置の意味 | 逆位置の意味 |
---|---|---|---|
0 | 愚者(The Fool) | 無限の可能性、新しい始まり、自由 | 無計画、無責任、愚かさ |
I | 魔術師(The Magician) | 創造力、意志の力、自己実現 | 詐欺、嘘、不信、空回り |
II | 女教皇(The High Priestess) | 直感、秘密、内面の知恵 | 表面的、隠し事、鈍感 |
III | 女帝(The Empress) | 豊かさ、愛、自然、美 | 浪費、怠惰、過保護 |
IV | 皇帝(The Emperor) | 支配、安定、父性、秩序 | 頑固、権威主義、支配欲 |
V | 教皇(The Hierophant) | 伝統、道徳、教育、信仰 | 偏見、形式主義、反抗 |
VI | 恋人(The Lovers) | 愛、選択、調和、関係性 | 不一致、優柔不断、不倫 |
VII | 戦車(The Chariot) | 勝利、行動力、意思の強さ | 暴走、強引、挫折 |
VIII | 力(Strength) | 忍耐、勇気、内なる力 | 自信喪失、無気力、怒り |
IX | 隠者(The Hermit) | 内省、孤独、探求、賢者 | 閉鎖的、孤立、迷い |
X | 運命の輪(The Wheel of Fortune) | 変化、チャンス、運命 | 停滞、不運、悪循環 |
XI | 正義(Justice) | 公正、バランス、責任 | 不正、不公平、偏見 |
XII | 吊るされた男(The Hanged Man) | 犠牲、洞察、自己反省 | 無駄な努力、停滞、強制 |
XIII | 死神(Death) | 終わりと始まり、変化、脱却 | 拒絶、停滞、恐怖 |
XIV | 節制(Temperance) | 調和、節度、バランス | 過信、不調和、浪費 |
XV | 悪魔(The Devil) | 欲望、束縛、快楽 | 解放、節制、自律 |
XVI | 塔(The Tower) | 崩壊、突然の変化、衝撃 | 回避、警告、変化の前兆 |
XVII | 星(The Star) | 希望、癒し、インスピレーション | 不信、幻滅、停滞 |
XVIII | 月(The Moon) | 直感、幻想、潜在意識 | 不安、混乱、誤解 |
XIX | 太陽(The Sun) | 喜び、成功、達成、幸運 | 自惚れ、遅れ、子どもっぽさ |
XX | 審判(Judgement) | 再生、覚醒、結果、決断 | 執着、後悔、誤判断 |
XXI | 世界(The World) | 完成、達成、統合、旅の終わり | 未完成、停滞、閉鎖的 |
小アルカナ
小アルカナは「カップ」「ソード」「ワンド」「ペンタクル」の4つのスート(属性)に分類され、それぞれが日常の出来事や感情を象徴します。
各スートには1から10の数札と、「ペイジ」「ナイト」「クイーン」「キング」の人物カードがあり、現実的・具体的な出来事を読み解くのに役立ちます。
🏆 カップ(Cups)感情・愛・人間関係
番号 | カード名 | 正位置 | 逆位置 |
---|---|---|---|
A | カップのエース | 新しい愛、喜び、感情の始まり | 感情の抑圧、喪失 |
2 | カップの2 | パートナーシップ、調和 | すれ違い、不一致 |
3 | カップの3 | 友情、祝福、仲間 | 遊びすぎ、裏切り |
4 | カップの4 | 無気力、退屈、見落とし | 新たな可能性、前向きな変化 |
5 | カップの5 | 悲しみ、喪失、後悔 | 希望、再起 |
6 | カップの6 | 思い出、懐かしさ、再会 | 過去への執着、停滞 |
7 | カップの7 | 選択、幻想、誘惑 | 現実逃避、混乱 |
8 | カップの8 | 離脱、転換、探索 | 戻れない関係、迷い |
9 | カップの9 | 満足、願望の成就 | 自己満足、過剰 |
10 | カップの10 | 家族の幸福、完成 | 不和、不満 |
ペイジ | カップのペイジ | 恋愛の始まり、感受性 | 未熟、臆病 |
ナイト | カップのナイト | ロマンチスト、献身 | 感情に流される |
クイーン | カップのクイーン | 優しさ、共感 | 過干渉、情緒不安定 |
キング | カップのキング | 感情のコントロール、包容力 | 感情的抑圧、冷淡 |
⚔ ソード(Swords)知性・論理・困難
番号 | カード名 | 正位置 | 逆位置 |
---|---|---|---|
A | ソードのエース | 真実、決断、知性 | 誤解、混乱 |
2 | ソードの2 | 板挟み、決断待ち | 優柔不断、見逃し |
3 | ソードの3 | 悲しみ、別れ、痛み | 癒し、立ち直り |
4 | ソードの4 | 休息、静寂、再考 | 焦り、無気力 |
5 | ソードの5 | 対立、勝利の代償 | 敗北、後悔 |
6 | ソードの6 | 移動、変化、癒し | 前進できない、停滞 |
7 | ソードの7 | 騙し、策略、秘密 | 暴露、後悔 |
8 | ソードの8 | 束縛、無力感 | 解放、希望 |
9 | ソードの9 | 不安、悪夢、悩み | 目覚め、解決の兆し |
10 | ソードの10 | 終わり、崩壊 | 再起、希望の光 |
ペイジ | ソードのペイジ | 知的探求、警戒心 | 噂、未熟さ |
ナイト | ソードのナイト | 行動力、正義感 | 衝動、過剰 |
クイーン | ソードのクイーン | 冷静、洞察力 | 冷酷、批判的 |
キング | ソードのキング | 知性、支配力 | 権威主義、頑固 |
🔥 ワンド(Wands)情熱・行動・創造性
番号 | カード名 | 正位置 | 逆位置 |
---|---|---|---|
A | ワンドのエース | 始まり、情熱、創造性 | 失望、やる気の欠如 |
2 | ワンドの2 | 計画、展望、選択 | 優柔不断、停滞 |
3 | ワンドの3 | 発展、期待、未来志向 | 遅延、計画倒れ |
4 | ワンドの4 | 安定、祝福、調和 | 不和、期待外れ |
5 | ワンドの5 | 競争、試練、対立 | 混乱、摩擦の回避 |
6 | ワンドの6 | 勝利、達成、賞賛 | 過信、傲慢 |
7 | ワンドの7 | 挑戦、防衛、主張 | 劣勢、圧力 |
8 | ワンドの8 | 急展開、進展、迅速な動き | 遅延、混乱 |
9 | ワンドの9 | 警戒、準備、持久力 | 疲弊、疑心暗鬼 |
10 | ワンドの10 | 重圧、責任、過労 | 降ろすべき荷物、限界 |
ペイジ | ワンドのペイジ | アイデア、冒険心 | 落ち着きのなさ |
ナイト | ワンドのナイト | 行動、情熱、冒険 | 軽率、短気 |
クイーン | ワンドのクイーン | 自信、魅力、統率力 | 嫉妬、操作的 |
キング | ワンドのキング | カリスマ、成功、影響力 | 独裁、短気 |
💰 ペンタクル(Pentacles)物質・お金・現実
番号 | カード名 | 正位置 | 逆位置 |
---|---|---|---|
A | ペンタクルのエース | 金運上昇、チャンス | 機会損失、不安定 |
2 | ペンタクルの2 | バランス、柔軟性 | 混乱、不均衡 |
3 | ペンタクルの3 | 協力、技能、計画性 | チームワーク不足 |
4 | ペンタクルの4 | 所有、安定、守り | 執着、停滞 |
5 | ペンタクルの5 | 貧困、孤独、困難 | 回復、援助 |
6 | ペンタクルの6 | 寛大さ、援助、分配 | 偏り、不公平 |
7 | ペンタクルの7 | 忍耐、成長、進捗 | 焦り、誤算 |
8 | ペンタクルの8 | 勤勉、努力、熟練 | 手抜き、不注意 |
9 | ペンタクルの9 | 自立、裕福、美的満足 | 依存、虚栄 |
10 | ペンタクルの10 | 家族の富、継承、安定 | 不和、失敗 |
ペイジ | ペンタクルのペイジ | 現実的、学習、地道 | 無関心、怠惰 |
ナイト | ペンタクルのナイト | 忍耐強さ、責任感 | 遅れ、変化の拒否 |
クイーン | ペンタクルのクイーン | 豊かさ、実務能力 | 甘やかし、怠惰 |
キング | ペンタクルのキング | 安定、富、経営者 | 強欲、独善的 |
タロット占いの基本的なやり方
タロット占いには様々なスプレッド(カードの展開法)がありますが、ここでは初心者でも試しやすい基本的な方法を紹介します。
ステップ1:質問を明確にする
まずは「何を占いたいのか」をはっきりさせましょう。
恋愛・仕事・人間関係など、具体的なテーマがあるほどカードのメッセージが明確になります。
例:「彼との関係は今後どうなりますか?」「転職すべきでしょうか?」
ステップ2:カードをシャッフルする
カードに意識を集中しながら丁寧にシャッフルします。
質問内容に思いを込めながらカードを混ぜることで、より直感的な結果が導き出されるとされています。
ステップ3:カードを選ぶ
シャッフル後、スプレッドに応じてカードを選びます。
1枚引きから始めてもよいですし、3枚引き(過去・現在・未来)や、ケルト十字など本格的な展開法もあります。
ステップ4:カードを読む
選んだカードの絵柄、向き(正位置・逆位置)、位置によって解釈が異なります。
最初はガイドブックやネットで意味を確認しながらでも問題ありません。
重要なのは、「カードの意味」だけでなく、「その意味を今の状況にどう落とし込むか」という直感的な読み取り力です。
よく使われるスプレッド
ワンオラクル(一枚引き)
迷った時のヒントや一日の指針として便利な方法です。
簡単ですが深いメッセージが込められることもあります。
ツーカードスプレッド
「Aを選んだ場合」と「Bを選んだ場合」のように、選択肢を比較するのに適しています。
スリーカードスプレッド(過去・現在・未来)
もっともポピュラーなスプレッドで、質問者の過去・現在・未来を一目で把握できます。
シンプルながら状況把握に優れています。
ケルト十字スプレッド
本格的なリーディングに用いられる10枚展開のスプレッドです。
問題の本質・顕在意識・潜在意識・未来の見通しなど、総合的に読み解くことができます。
タロット占いの魅力とは?
自分を見つめ直す手段になる
タロットカードは「当てるもの」ではなく、「気づかせてくれるもの」として捉えると、より深い活用が可能です。
自分の心の奥底にある感情や葛藤に向き合うきっかけになります。
言葉にならない思いを形にできる
漠然とした不安や迷いも、カードの絵柄や象徴を通じて視覚化されることで、具体的な対策や心構えが見えてきます。
誰でも使える
専門的な知識がなくても、カードの意味を少しずつ学んでいけば誰でもタロットを扱うことができます。
特別な道具も必要なく、1組のカードと静かな時間さえあれば始められます。
タロット占いを始めたい人へ
初心者が最初に手にするべきは「ライダー・ウェイト版」のタロットカードです。
絵柄がわかりやすく、解説書も充実しているため、学びやすいとされています。
また、1日1枚の「デイリーカード」を引く習慣をつけることで、カードとの親しみが増し、リーディング力も自然と身についていきます。
注意点とマナー
他人を占うときは、相手の同意を得て行いましょう。
「死」「破滅」など強い言葉に惑わされすぎないようにし、あくまでガイドとして解釈しましょう。
頻繁に同じ質問を繰り返すのは避けた方が良いとされています。
まとめ
タロット占いは単なる未来予測の道具ではなく、自分自身と対話するための鏡のような存在です。
カードの意味を学びつつ、自分なりの直感を大切にしながら、日々の生活に活かしていくことで、より豊かで深い気づきが得られるでしょう。
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